校内に暴力の嵐が吹き荒ぶ東京近郊の中学校。伊藤肇(柄沢次郎)をリーダーとする少年たちの非行はとどまることを知らない。ある日、校長(須藤謙)は「校内暴力のある学校を渡り歩くベテラン補導教師」の存在を知り、代行教員として、呼ぶことにした。沢井定行(若山富三郎)、社会科教師55才。柔道六段。札幌や大阪の学校で学校の “名誉”を守り、生徒を更生させた実績をもつ。しかし現場教師たちの期待とは裏腹に沢井は非行生徒たちの暴力に決して抵抗しなかった。そんな沢井に対し生徒たちの暴力はエスカレートしていくのだが、沢井はひたすら耐えた。沢井は重い十字架を背負っていた。過失致死罪、懲役三年の刑。六年前、血気盛んな沢井は、ひ弱な息子を鍛えるため柔道を教えるが、誤って彼を死なせてしまう。出所後、教育関係者のはからいで、代行教員として教壇に立つことになった沢井は文字通り、殉職者のように生徒と接した。「教育者にとってもっとも必要なのは忍耐心である。如何なる問題児であれ、忍耐深く接することによって、必ず子供の心は開かれる」。これが校内暴力対策のための“渡り教師”といわれ、“助っ人教師”と言われる沢井の正体であった。
時間(本数) |
120分 |
放送日時(初回) |
1984/3/1 夜9時02~10時54分 |
放送局(初回) |
YTV |
脚本・監督・プロデューサー |
原作:若山富三郎 監督:小泉 勲 脚本:石森史郎 |
出演 |
若山富三郎・新 克利・三浦リカ・大木実・中野けい・唐沢次郎・須藤健・武内文平・草野大悟・長谷川弘・守田学哉 ほか |