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- 手紙〜殺しへの招待状〜第一巻 第六回
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YZからの第三便が沖田のデスクヘ届いた。開封したのは章子だった。カナ文字タイプの文面にぱユウベアナタハ サロンミツコヘイキマシタネ。ワタシハイッモアナタヲミハッテイテアナタノコトハナンデモシッテイマス。ケイカクハヨテイヨリハヤマルミコミデズと打たれていた同じ手紙は当然のことながら羽鳥、小沼、関山にも送られていた、数日後、小沼が工事現場から転落して重傷を負った。関山と羽鳥は動揺した。今ではこの三人は互いに連絡し合い、善後策を・し合っている仲だった。しかし小沼は、妻の優子が心から夫が怪我ですんだことを喜んでいる姿を見て、YZが優子ではないと確信した。小沼が怪我をした日の夜、章子は沖田を食事にさそった.ロ実はYZからの手紙を開封してしまったことを詫びるためたが、事実は沖田を脅かしている危険な影とは何かを確かめたかったからだ。だが沖田は何も語らない。章子は沖田の車で家へ送ってもらうことにしたが、その・中、激しい雷雨に見舞われ、やむなくモーテルで雨やどりをした。モーテルの一室で、章子は熱病のように沖田への愛を告白し、沖田へ体を投げ出した,,沖田は一線を踏み止まった,明日の自分はどうなるかわからない。ここで章子と関係が出来れば章子が不幸になることは明白だ,,沖田はこう考えて自分をセーブした。YZからの第四便と第五便が、あまり日をおかずに四人に届けられた.第四便は、“殺す方法は推理小説の「都弁岬」にヒントを得た完全犯罪であるこど、そして第五便には央を殺す日時が明記されていた,殺人の日は第五便が届けられたその日だった。小沼を除く沖田、羽鳥、関山の三人はそれぞれに眠られぬ夜をおくった。しかしその翌朝、沖田の妻、三重子が死体で発見された。三重子はガス管をくわえて死んでおり、一見自殺に見えたが、不審な点もあり、警察は沖田に聾いの眼を向けた。
- 5,250 円
- 前田陽一
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