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手紙〜殺しへの招待状〜第二巻 第十六回
三重子の死後二週間たって、羽鳥と関山のもとにYZからの手紙が届いた。“実は私は殺された三重子さんの友人と親しくしている者です。三重子さんは自殺ではなく、夫に殺されたのです。”と手紙には書かれていた。だが、章子はこの手紙を三重子の死後に投函したものだと考えた。何の関係もない人間に、投函日を指定して頼んだものに違いないとにらんだのだ。羽鳥は章子の推理に賛成したが、関山は沖田の無実に確信が持てなくなり、脱落していった。章子と羽鳥は沖田を救うため出来る限りの力を尽した。そして二人は三重子が膠原病に悩んでいたこと、レズビアンクラブの常連で、この事実を夫に知られることを恐れていたことなどを突き止めた。これは三重子の自殺を裏付ける有力な手がかりだ。羽鳥は裏付けをさらに確実にするため、テレビに出演して三重子に投函を頼まれた人間を探してくれるように訴えた。反応はすぐあった。ある老婦人からの電話は、近所の女の小学生が、部屋を貸していた女に頼まれて手紙を投函したという。章子と羽鳥は警官立ち会いのもとに、女のいた部屋を訪れた。そこにはカナタイプライターがあり、一通の封書がはさんであった。封書は沖田三重子の遺言書で、三重子の栂印が押してあった。鑑識の結果、栂印は三重子のもので、さらにカナタイプから三重子の指紋が発見されたことから、三重子は完全に自殺と断定された。沖田は釈放された。章子と羽鳥はホッと胸をなでおろした。だが………
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